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仮面ライダー刀ーエッジー 03.レイジング・ソウル

それが、良いことなのか悪いことなのか。
聞かれても咄嗟には答えられないだろうなと、橘朔也は考えていた。
彼の目の前に置かれたディスプレイには、53体のアンデッドのリストが浮かび上がっている。
以前彼らが使っていたアンデッドサーチャーを応用発展させたこの『アンデッドレーダー』は、
アンデッドの活動を衛星監視できるシステムだ。
奴らが動き出すと、どこで、どのアンデッドが暴れるのかが分かるのである。
そして現在、リストにあるアンデッドの1/4に『SEAL』の文字が浮かんでいる。
ラウズカードに封印された状態であることを示している。
人類の脅威・アンデッドの封印は順調に進んではいる。
だが、それは朔也達の手によるものではない。

仮面ライダーエッジ。

彼がそのほとんどを封印している。
朔也が、睦月や一真と共に戦って封印したのは僅か3体。
昔の自分達ならこんな惨めな結果にはならなかっただろう。かつてのライダーシステムをもって戦えれば――3人の中に共通する、決して口にはしないそれは"言い訳"でしかないのだ。
視線が自然とダイヤスートのA……チェンジスタッグに向く。
このアンデッドはまだ封印されていない。大きな動きを見せておらず、まだ見つけることも叶わずだ。
睦月――レンゲルの変身に必要な、チェンジスパイダーも同様だった。
そして問題があるとしたら、一真のブレイドに必要なチェンジビートルには『SEAL』の表示が出ていることだった。
即ち、ビートルアンデッドはすでに封印されている。
そして自分達以外にそれが出来るのは。
「凄い勢いですね、彼」
後ろからの声に朔也が振り返る。
そこにいたのは、睦月だった。ディスプレイを覗き込んでいる。考えていることは同じであろう。
「確実に所在が分かっているのはチェンジビートル、ブレイドだけだな」
「彼と話ができれば、どうにか手にできるかもしれないですけどね。それも難しそうだ」
「ああ……聞く耳持たずもいいところだ」
事実として、朔也たちは戦いの中でその後もエッジと対峙している。
だが睦月も言うように、こちらの話を聞くどころか、刃を向けてくるのだ。
そしてエッジの戦闘力とグレイブら擬似ライダーシステムでは、力ずくなどという手段も取れなかった。歯が立たない。
「少しだけ、思い出しますよね」
何を言わんとしているのか、すぐに分かった。朔也自身もそう思っていたことだからだ。
似ている。
あの、戦いに身を委ねる獣のような姿。
何度も対立し、やがては仲間となったアンデッド。そして誰より人間らしかった異形――ジョーカー。
「4年前の再現のつもりじゃないかと、誰かの采配じゃないかと疑いたくなるな」
「だとしたら、僕らはピエロだ。笑われるでしょうね、ここまで役に立たない演者だと」
「卑下するなよ。しかし、4年前とは違うか。俺達は……あれから4年も経っているだもんな」
朔也は深いため息をついた。
モニターにはジョーカーの名ももちろんあった。
だが、そこにだけは唯一『LOST』の文字が浮かび、一切の反応が無かった。


その頃。
一真の姿は、とある喫茶店の一室。店舗スペースの下に構えられた部屋の前にあった。
小さな手土産をドアの前に置く。そして小さく、優しく声をかける。
ドアの向こうにいる少女へと。
「じゃあ、また来るよ。天音ちゃん」
だが、そこには一切の反応は無かった。一真は曖昧な、それでいて精一杯な笑顔を作りその場を去った。


4年前とは違うのだ。
この戦いは、種の存続を賭けた地球生物のバトルファイトではない。
それは誰の目にも明らかだった。
作為的に彼らを蘇らせた存在がいる。
刀麻一聖はそれを探し出したかった。
その存在を見つけて、自分はしかし何をしたいのだろう。
土下座させたいのか。斬りつけたいのか。それは分からない。
だが、それこそが今の彼の唯一の望みだった。
こんな下らない戦いで全てを失った自分にできることは、それしかないと――轟々と唸る憎しみが彼に戦いを強要していた。

今はまだ、自分に降りかかった運命の行き先を知らず。
仮面ライダー達の過酷な運命は、まだ動き出したばかりだった――。

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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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おすぎ@帝王のめがね

Author:おすぎ@帝王のめがね
特撮二次創作サイト『帝王のめがね』管理人おすぎです。


こちらでは主に創作活動に関する活動報告をしてやろうと思います。
遅筆、執筆無精を改善するためにあえて自分の状況をさらけ出すことにしました。
まったく書いていなくとも、まったく筆が進んでいなくとも、その事実を隠さず晒す。

いわばこのブログは自分への枷。

そんな構ってちゃんみたいな動機で始まったブログです。

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